金属繊維を焼結技術によってシート状に加工した多孔質体です。
ご希望の仕様に合わせて、1枚から受注生産にてお作りします。

金属箔からコイル切削法により製造した各種金属繊維を焼結技術によって多孔質なシート状、または立体形状に加工します。繊維と繊維の接触部が表面拡散により接合され、緻密な多孔質状態になります。バインダーは使用しておりません。
焼結加工に対応している素材は各種ステンレス鋼、銅、チタン、ニッケル、鉄、銀などです。
特にチタンの場合、換算直径15μmから繊維の製造が可能です。その微細繊維を用いたチタン焼結品は優れた耐腐食性、機械的性質、表面平滑性を持ち、さらに他の金属では見られない生体適合性が確認されています。チタンの特長をいかした焼結品は様々な製品に使われております。
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様々な金属材料に少量からの対応が可能です。
チタンに限らず焼結品は空隙率や厚みを自由に変えることが可能です。焼結品は比表面積が極めて大きな素材になり、多孔質体であるため気体や液体を透過させる流量の確保が可能です。ご希望の素材がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お客様のご要望に応じて各種ステンレス、銅、ニッケル、チタン、鉄など、様々な金属材料に少量からの対応が可能です。
金属繊維焼結品の製品仕様
(各数値は目安となりますので、記載範囲外の仕様をご希望の場合は、相談ください)
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製造可能な繊維径 (available fibre diameter)
切削繊維 換算繊維径 10~150μm など(材質により異なります)
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目付け量 (weight)
50 ~ ± 50,000 g/m2(材質により異なります)
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空隙率 (porosity)
約50 ~ 80 %
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パネルサイズ (panel dimensions)
10 x 10 mm から 400 x 500 mm など ご要望に応じて、四角や円などの形状への加工も可能です。お気軽にお問い合わせください。
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厚み (thickness)
0.1 mm ~ 5.0 mm(材質や繊維径により製造可能範囲は異なります)
厚みの調整について
金属繊維焼結品は任意の厚みに調節することができます。

ステンレス繊維の焼結加工前後の厚み変化
(左)焼結前のウェブ(50μm繊維 500g/m² 厚み約25mm)
(右)焼結後(50μm繊維 500g/m² 厚み0.7mm 空隙率約90%)
1. 目付(1m²あたりの金属繊維重量)を加減する
厚くする場合は繊維重量を増やして目付を多くします。薄くする場合は繊維を少なくし、目付を減らします。
材種により比重が異なるため一様ではありませんが、最小で約100g/m²から最大では50,000g/m²などの焼結品もございます。
2. 空隙率(空孔率)を加減する
荷重を加えることで空隙を減らして、薄く加工することが可能です。その場合、低空隙な焼結品が仕上がります。
空隙率は焼結品の体積に対する空隙(隙間)の割合を表しています。通常は、最小空隙率は50%、最大空隙率は80%(仕様により最大90%)まで、任意の空隙率に合わせてお作り致します。

厚みと空隙率の違い
A~Dはいずれも39,000g/m²のステンレス繊維焼結品です
(A)厚み11mm 空隙率50%
(B)厚み13.5mm 空隙率60%
(C)厚み18.2mm 空隙率70%
(D)厚み26.8mm 空隙率80%

厚みについて
最薄は0.1mmより、0.05m単位でお作りしております。基本的な最大厚は10mmですが、仕様によっては50mmなども製造可能です。(ここから追加)特に80%以上の高空隙な焼結品は光や液体、気体も透過しますので、流量を確保することが可能です。また、厚みを薄く調整することでも同様に流量の確保が得られます。